2016年2月19日金曜日

枠を越える


いつも四角い枠の中で試行錯誤している…

そう思い始めてから、
もしこれが四角や枠の中だけではなかったら
どんなことが起こるのか試してみたのがこれらの作品です。


枠からは布がはみ出て、
布を被った状態や
おもちゃの鳥が飛んでいたり
椿の花が落ちていたりするのを
描いています。

言葉通り、枠を越えたわけですが、

それだけが枠を越えるということではなかったこと、

枠の有る無しは関係なく、

表現したいことはできること。

方法は無限だけど、

私の表現にもっとも合った形はなんだろうと、
あらたな試みをこれからも試しながらも、
私の中にある根本を
見つめる機会になりました。


untitled / 2002 / charcoal on cotton,panel
untitled / 2003 / acrylic on cotton, embroidery frame


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2016年2月12日金曜日

数字で言うと偶数で


数字で言うと偶数で、とは
主役がいないということです。

奇数の絵づくりは
3つの物の中から、
主役を1つ作って
あとの2つで引き立てる。

バランスもいいし「絵的」ではあります。

ではもし、2つの物を描くとしたらどうでしょう。


ここには主役はありません。
集中しているけど、
分散している。
そして全体であること。



こうして一連のシリーズとなってきた作品をみると
儀式のような、宗教的な、祭壇のような、
そんな見方をされるかたもいらっしゃいました。

いつも四角い画面の中で試行錯誤していると、
この枠を越えるには?
そんな試みが次の作品に続いてきます。


「     」 / 2003 / oil on cotton / 162.0×162.0cm
「     」 / 2003 / oil on cotton / 69.7×69.7cm

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2016年2月1日月曜日

「あなた」は誰なのか?


人が描かれている絵を見る時、
まずどこに目がいくでしょうか?

無意識に人の表情に目が向くことが多いです。

もしその表情がわからなかったら…

何を感じるでしょうか。

また、人が立っている全体像を描くなら
画面を縦の構図にしそうですが、
私が描く作品の流れだと、
横の構図です。

ここでもレースの布を描きながら、
画面の四隅まで意識は浸透しています。


ある人から聞かれたことがあります。

タイトルは「やっぱりあなたのことを嫌いになることなどできない」
ですが、「あなた」とは誰ですか?と。

(作者が)あなた(布を被っている人)を嫌いになることなどできない、のか

(作品を見た人が) あなた(布を被っている人)を嫌いになることなどできない、のか

(布を被っている人が)あなた(他の誰か)を嫌いになることなどできない、のか…

まだ考えられそうですが、

これは見た人の心が映し出されそうです。


やっぱりあなたのことを嫌いになることなどできない / oil on cotton / 112.0×145.5cm


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