複雑な構造のものは
頭で考えたら
一体これをどうやって描くんだ?
描き終えられるんだ?
と思うと思う
そういう時ほど
どう描こうかは考えない
そのモチーフを愛し
今やることは
必ず教えてもらえるので
それに忠実に
手を動かす
教えてもらえることに
忠実であることがポイント
油断したり
整っていないと
無意識に
聞き逃す
そういえば
あの時こんなことを言っていたから
今やろう、では
またやることが違ってしまう
何手か先のものまで知ろうとすると
考えてしまうので
とにかく今やることだけをやる
見通しとかないけど
必ずできるとしか思っていない
私が最近素晴らしいなと思っている人たちは
自分に筋が通っている
外側がどうかというのはあまり関係なく、
自分との折り合いがついているように思う
自分に後ろめたさがなく
一致している
人は誰でも天才性を持っていると思う
なんとかしようとするのをやめて
天才を呼んでこよう
天才を呼び出して
天才にやってもらうと
体の細胞が喜んでくる
全然合理的でないけど
天才の言うことなら
それに従ってみよう
きっとその方がずっと
最後はつじつまが合うように
うまくいくから
忍耐という言葉は好きじゃなかったけど、
忍耐を我慢することにつかうのではなく、
感情に振り回されず保っていられる力
深く掘り下げる力
最後まで見届ける力
としてつかうことで
何度助けられたかわからない
この大きさの筆で
この色で
このように描く
という「指令」にそって描くときは
スムーズに進みます
・
どうしたらその「指令」を
すぐに受け取れるのか
質問していたら
どうやら常にそれは
降り注ぐように
私のもとへ送られてきていて
それに気づいていなかったのは、
それを受け取れなくしているのは、
私だった
ということはわかりました
まずは、常に送られてきていると知っていること、
小さい声に耳をすませることです
うまくいっていないと思った絵からも
この絵具のつき方のこんなところがいいとか、
ここの形がいいとか、
モチーフに敬意を感じるとか、
(魔女の宅急便で、
カラスを描いていた女の子が
「あなた美人ね」と言ってスケッチしている
シーンを思い出す)
思わず絵に美しいですねと呼びかけたくなる
そんな瞬間は
描かないといけないんじゃなくて、
描かずにはいられない
・
だから美しいものが見えているのは
とても重要である
美しいものが見える人であるように
努力する
美しいものが見えなくなったのを
誰かや何かのせいにしないように
それは必ずあります
それは必ずあると信じる訓練は
よくされています
絵を描くときに感じている場所のようなところがある
それを「拠点」と呼ぶことにする
そこはどんなところかと聞かれたので
説明しようとするが
なかなか言葉が出てこない
・
変えようがないところ
迷いのないところ
答えがあるところ
全部があるけど
余計なものがないところ
・
今のところ説明できるのはこんな感じ
絵を描いていないときも
ここが拠点になっていく予感がしている
人間的な性質としては
迷いやすい方だと思う。
それは迷える豊かさでもあって
どっちにしよう
いろんな可能性があって
楽しくもある
・
それに気づいたのは
絵を描く時は迷えないからで
迷うという概念がまずない
答えはすでにあって
答えがない時は
空白があるだけである
・
そろそろ迷える豊かさから
迷えない豊かさに
移行する時間が
来ている気がする